浅野いにお先生のデデデデを読んだので感想を描き散らす

 

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以下の文章はすべて私の妄言で嘘です多分ね

 

 

 

 浅野いにお先生の「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」読みました。連載終了から半年くらい?ですかね。先生の作品を最後までちゃんと読んだのは今作が初めてでした。おやすみプンプンとかソラニンは、名前だけなんとなく知ってるレベル。前々から気にはなっていたのですが、NHKで放送された「漫勉」に出演されているのを見てから、いずれ読むことは決めてました。

 

 感想ですが、むっちゃ面白かった。想像してた面白さを空高く飛び越えていきました。特に序盤から中盤にかけての日常パートが好き。

 

 侵略者が来ても、日常が大きく変化しない生活を残念に思う門出がいいですね。大きくは変化しないけど、でも侵略者のせいで父親は死んで、高校でできた友人も死ぬ。大きいことのように思うけど、生活を劇的に変えるほどの変化はなくて、悲しいけど、これまでと大きな変化はなく、日常が流れていく。

 

 けど少しずつ、だけど間違いなく世界は変化していて、いつか大きな変化が世界を包むんじゃないかと言う予感だけは常に感じさせる。ここ読んでるときのわくわく感はすげーですよ。じわじわじわじわ。ストーリーが進んでないように見えて、けど進んでる。

 

 後、おうらんがむっちゃ素敵。オタクこういうの好きでしょが詰まってる。オタクこういうの大好きです。発してるセリフのセンスが素晴らしいのよ。個人的に、「スナックバス江」みを感じました。おうらんの言葉選び好きなら読んでみてね。

 

 中盤から後半にかけては、急激にぐんぐん世界の秘密がわかっていく。この世界はおうらんが、門出を救うために選択した世界だった。小比類巻が後半、むっちゃ躍進して出番激増してきたのは熱かった。序盤読んでる段階だと、「こういう口だけの意識高い学生いるよね~」ぐらいだったけど、そうじゃなかった。行動力えげつない系の意識高い系だった。

 

 この作品、何がいいって、これがあってる、間違ってるとか、何が正義で何が悪かを言及してないとこだと思う。色んな勢力があって、色んな思想があって、それをただ描写してるだけで、否定も肯定もしない。

 

 小比類巻の「自分は自分の都合のいい情報だけ信じる」っていう旨のセリフがお気に入り。情報が錯綜する世界で、国も政治家も世論もぐちゃぐちゃで、そんな世界ではっきりと、自分の立ち位置を確信してるこのキャラクターが私は好きだ。頭おかしいけどね。

 

ラストは正直、好み別れるけど、個人的にはかなり残念。門出を救うためにおうらんが選んだあの世界で、彼女たち2人の最後を見たかった。けど、あの世界の結末を描かないために、最後の平和な世界線を描いたのかな?とは思った。

 

 ただ、我々読者は救われないよなぁ、とも。平和に生きてる最後のおうらんと門出は、私たちが知ってる彼女たちじゃないわけで、ああそうなんだとしか感じれない。

 

ラストは個人的にちょっぴり残念だったけど、総評としてこの作品は神です。おんたんに影響されて私は、ひさしぶりにFPSを再開しました。やっぱ我々の肉体は戦争を求めているのです!というか、ゲームで戦争してたおんたんの、門出を救うという選択のせいで、あの世界は戦争始まっちゃったわけなのですね。

 

まあ、そんな感じです。